五月某日。
実は私、前進座歌舞伎のファンである。
もちろん松竹歌舞伎もいいのだが、スターシステムで個人芸重視。
その点前進座はアンサンブルや演目のテーマを重視しているので「芝居」としてとても好きだ。
若手の力不足も確かにあるが芝居への取り組みと情熱が毎回よく伝わってくる。
また、同じく歌舞伎行っているにも関らず世間から何となく無視されているところも立川流と同じような境遇で親近感（笑）。
まずは「七代目嵐芳三郎襲名披露口上」。
梅之助の大時代な口上挨拶が楽しい。
「切られお富」
以前福助で見た時は単なる切られ与三郎のパロディとしか感じなかった。
しかし通しでストーリー見ると男より女にしたこちらの方がいい作品なのではないかと思わせる。
なるほどねぇ。
蝙蝠安の藤川矢之輔が好演。
高齢・梅之助の悪役も存在感示す。
ただ…三年前辞めた中村梅雀が加わってればもっと厚み増したのになぁとつい思ってしまう。
三等席の私の周辺、招待券で来たとおぼしき層の鑑賞マナーがなってない。
初めて歌舞伎見に来たのだろうが（やってるものが歌舞伎だという認識もなかったようだが）最低限黙って見てて欲しい。
田舎の公会堂で芝居見てるような感じに耐えられず途中から他の空席に移った。
写真は襲名祝いの品。
いつも殺風景な国立劇場ロビーも祝いの雰囲気に華やぐ。
