立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

10月3日(火)の志ら玉

晴。
8時起床。
 
東銀座。
11時、歌舞伎座、「錦秋十月大歌舞伎」昼の部。
 
天竺徳兵衛、松緑。この人らしからぬ時事ネタ的なクスグリ台詞があり、またこの日は台詞つかえた脇の役者をアドリブで突っ込んでいたのは珍。
梅津掃部、坂東亀蔵
銀杏の前、新悟。
吉岡宗観、又五郎
 
文七元結物語」。
山田洋次演出、ということで同演出の勘三郎版「人情噺文七元結」とほぼ同じだろうと高を括っていたが、幕開きからお久が吉原に身売りに行く新しい場で身を乗り出す。
また歌舞伎から離れた舞台装置の工夫有り。私は好きである。
長兵衛、獅童。「博打」好き故に(要は博打依存症)、と長兵衛の行動原理特化される演出が多いが、「馬鹿」故に、という扱いは喜劇的で、成る程新鮮。初期に「馬鹿」物喜劇映画を数々撮ってきた山田洋次らしい趣向と言えるかも。
お兼、寺島しのぶ。貧しいが品のある人物像。着物を取られ屏風に隠れる従来の演出を無くす。寺島しのぶ演じる故あそこをカットしたのかもしれないが、あの笑わせ所を女形の「下品」さと捉えれば、今回は品を活かしたお兼で、良いと思う。
角海老女将お駒、孝太郎。強めの女将で演じる。強さの裏の人情味が活きる。
お久、玉太郎。健気な娘、好演。先妻の子という圓生版の型。
文七、新悟。ニンに合う。
家主甚八片岡亀蔵。こちらも大家のニン。そして長屋の衆を上手く配置する山田洋次演出。
近江屋卯兵衛、彌十郎。真面目との落差で笑わせる。喜劇の緊張と緩和。
「『神の声』を聞いた」という台詞がキーになっている新演出だが、その「神の声」に故勘三郎丈を想起させる。
 
「蛙茶番」の「天竺徳兵衛」に「文七元結」と落語繋がりの部であった。
徳兵衛の蝦蟇の妖術台詞、気付きがあり大変参考になった。
15時半終演。
 
「天龍」。
蒸し鶏と名物の巨大餃子。
ジンソーダから黒ウーロンハイ。
 
松戸。
ロピア」で買い物して、帰宅。
 
部屋に辿り着いて、早起きと観劇による集中力消耗で、気絶した様に寝る。
小一時間。
 
深夜、レターパックをポストに投函しに行く。
 
軽く飲んで、3時就寝。