立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

先月と今月の歌舞伎鑑賞

先月の鑑賞記録を書き忘れていたのでまとめて。
 
11月某日。新橋演舞場「吉例顔見世大歌舞伎」。夜の部。
 
「ひらかな盛衰記 逆櫓」
幸四郎主役の船頭松右衛門。
…あまり覚えていない。
文楽で見たほうが面白かったなぁと思ったくらい。
 
「梅の栄」
芝翫の踊り。
種太郎や尾上右近など白塗りの若手も周りで踊る。
…これも特に感想はない。
 
「都鳥廓白浪」
菊五郎菊之助の世話物。
面白かった記憶はあるがストーリーはよく覚えてない…。
しかし最後の菊之助の飯を食いながらの立ち回り「おまんまの立ち回り」はよーく覚えてます。
趣向こらした面白さ。
 
どうやらこの数日前に談大兄さんのお弔いがあった為ショックであまり集中できなかったようだ。
観客側の精神状態によって印象大きく変わるものだと再認識。
 
 
12月某日。国立劇場仮名手本忠臣蔵」。
副題「大星由良之助本伝」とし三段目、四段目、道行、七段目、十一段目を上演。
 
確か以前にも書いたと思うが歌舞伎を見始め十数年、正直私は「仮名手本忠臣蔵」あまり面白いと思ったことがない。
なぜなら、名作という期待感が高すぎる。
ストーリーをよく知っているが故展開がかったるい。
面白いと思うのは殿中刃傷の「三段目」。あと好きなのは斧定九郎。大好きなのは道化の鷺坂伴内、というていたらくだ。
そんな私が見ても今回面白かった。
芝居に没入出来た。
 
普段地味目な芝居の幸四郎だが、全体を座頭のそのトーンに合わせた感じが良いアンサンブルになっていた。
また幸四郎染五郎親子がかなり気合入っているように見えた。
幸四郎高師直染五郎の判官は初役とは思えない感じ。そして幸四郎の由良之助、染五郎の平右衛門、すべて良かったです。
今まであまり面白いと感じなかったものが面白くなったというのは観方のレベルが上がったからか、ともふと思う。
 
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写真は四段目「通さん場」の案内。
それなのにバリバリ煎餅食ったり、ビニールガサガサさせて飴食ったりする客いる。
なぜ「通さん場」なのか意味わかってるのか!家でテレビ観てるんじゃねえぞ!
つまらなくてもせいぜいおとなしく寝ていて欲しい。