立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

歌舞伎座さよなら公演

4月22日。歌舞伎座「御名残四月大歌舞伎」。
一部二部を通しで見る。三部は発売すぐに完売で買えず。
 
これで来るの最後かと思うとなかなか感慨深いものがある。
周りの客席、鑑賞歴50年60年を思わせるおばあさん達も「建て替えられるまで生きていられるかしら」などとセンチメンタルな話。
もう取り壊されると思うと、窮屈な三階席の座席・バリアフリーなんてお構いなしの幕見席四階までの急階段・狭くて行列できるトイレなんかも懐かしい。
 
一部
「御名残木挽闇爭」
若手花形総出演のお目見えだんまり。
三津五郎染五郎菊之助海老蔵勘太郎七之助松緑獅童らが一斉に舞台に。
普段はつまらない無ストーリーの顔見世だけのだんまりものも、最後だと思うと華やかで相応しい。
最後の舞台に上がれるだけでも嬉しいだろうなぁ。
 
「熊谷陣屋」
吉右衛門の熊谷、気合がビンビン伝わる。
相模役の藤十郎、七十九歳で長時間の舞台ずーっと出ずっぱり!
いやーすごい気力だ。
 
「連獅子」
中村屋十八番。親獅子勘三郎に仔獅子勘太郎七之助
最後の毛振り、三人ぴったり間が揃うのは芸の血。
宗論の橋之助扇雀も結構。
特に扇雀、普段女形なのでこういう道化役新鮮。しかも上手い。
 
 
歌舞伎座の周りを名残惜しみながらぶらぶら。昼食済ませ再入場。
 
二部
寺子屋
松王丸・幸四郎、千代・玉三郎、戸浪・勘三郎、武部源蔵・仁左衛門という超豪華メンバー。
ご馳走様でした!
 
三人吉三巴白浪」
こちらも、お嬢吉三・菊五郎、お坊吉三・吉右衛門、和尚吉三・團十郎という贅沢な配役。
御馴染みの台詞、御馴染みの芝居を一幕すっきりと。江戸前だねぇ。
やっぱり菊五郎の生世話はいいわ。
 
「藤娘」
藤十郎の踊り。かなりの高齢でこの動き、ちょっと恐いくらいだ。あっぱれ。
 
私にとって最後の歌舞伎座、表に出るとすっきり華やかな気分になっていた。
 
 
 
私が初めて歌舞伎見たのは歌舞伎座
入門前、歌舞伎一度くらい見ておいたほうがいいかなと思い何だかわからず見に来た。
初めて見た感想は、5時間の興行長いなー。休憩三十分って長いなー、という程度のものだった。
 
それから十二年。
自分でもこんなに通うようになるとは思わなかった。
芝居ぼーっと見ていると落語の台詞や演出、仕種などひらめくことがよくある。
歌舞伎の見方、楽しみ方を教えてくれた当代歌舞伎座。どうもありがとうございました。
次代歌舞伎座、また行くぞ。
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写真はこの日、あと9日の歌舞伎座