毎月様々な芸術・文化・社会風俗等の現場に足を運び鑑賞し分析、そして論じ合う活動がキンキン芸術鑑賞部だ。
部員は二人。
倉庫の二階席亭氏が部長、そして私が副部長。
今回久々約三か月ぶりの活動。
(今までの活動等については旧ブログ「立川らく里のキンキン日報」を参照のこと。)
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=kinkin_summit
今月は、秋葉原・メイド喫茶における芸能の一考察。
今更メイド喫茶という意見もあろうが、「今更メイド喫茶」故の進化と深化、そしてバリエーションが楽しめた。
まずは戦国メイド喫茶。
すでに二重、三重に進化している予感。
店の名は「もののぷ」。
言うのも野暮だが「武士(もののふ)」のアキバ語だ。
店に入ると「お帰りなさいませ、おやかた様ぁ。」と迎えてくれる。
「ご主人様」の戦国バージョンだ。
はじめ「親方様」と思っていたが「お館様」らしい。
勉強になる。
店内は17時前で八割ほどの客。
結構人気の店のようだ。
女の子のみの組もみられる。
流行の歴女というやつか。
夕方であったが素面ではいられず私がウーロンハイ、席亭氏がレモンサワー、つまみに「大阪ナッツの陣」というナッツの盛合わせを注文。
言うのも野暮だが「大阪夏の陣」のシャレである。
飲み物には武将の名がついていたがこれは面白くなかったので忘れた。
女の子の衣装は、家紋の入ったミニのメイド服に鎧の肩当てをつけポシェットをさげて短刀を差しているという何とも斬新なスタイル。
かなりいっちゃってる。もはやメイドも戦国も超越。
注文の品を運んで来た際「美味しくなるおまじないをしますね。」とおもむろに刀を抜き「○○家(メイドさんそれぞれに武将の苗字がつけられている。その家名。)の名にかけてお館様の背中をお守りいたしますぅ。えいっ!」と振り下ろす。
唖然とする二人。我に返り笑顔でメイドさんに会釈。
気を取り直して口をつけたウーロンハイは薄かった。
あのおまじないは「酔い過ぎないようにね」というメイドさんの心遣いだったのだ。感謝。
およそ45分ほど滞在し、帰ろうと立ち上がると「お館様の出陣ですぅ。」と見送ってくれる。
ここは陣営だったのだ。
勘定を済ませ、世間という敵に向かって出陣す。
店内のお客全員の口角が常にちょっと上がっていた。
皆楽しんでいる証拠だ。
微笑が絶えない、幸せな気分にしてくれる空間ということは素晴しいお店ということではないだろうか。
ちなみに前田あずさ嬢がかわいかった。
戦国メイドの面影を背に二人は次のメイド店に向かうのであった。
つづく。