立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

「六月喜劇特別公演」と「告白」

新作ネタ下ろしがやっと終わったので久々の更新。
遅ればせながら先月の観劇記録。
 
 
某日。新橋演舞場にて藤山寛美歿後二十年の藤山直美座長公演。
松竹新喜劇ゆかりの演目を昼夜で四作通しで見る。
 
昼の部
「女房のえくぼ」
「幸助餅」
夜の部
「大人の童話」
「丁稚の縁結び」
 
どれもそれぞれ水準以上で良かった。
「丁稚の縁結び」での藤山直美と小島秀哉、「大人の童話」での藤山と小島慶四郎松竹新喜劇的古老役者とのからみは爆笑。
また藤山直美の丁稚は、かわいらしくコミカルで子供役という女性的な強みを活かせる点で藤山寛美のアホな丁稚とは違った面で父を超えた部分あると思う。
とてもチャーミングなのだ。
また「大人の童話」の普通の女性役も当然のように良い。
幅と奥行のある素晴しい役者。
 
「幸助餅」と「大人の童話」出演の西郷輝彦も良かった。
特に「大人の童話」の泣かせのシーン。
じわじわメーター上げていって泣かせる芝居はよくあるが、突然メーター振り切るようにピークにもっていき泣かされたのは初めて。
上手い芝居するわぁ。
 
藤山寛美松竹新喜劇は関東という地域的にもまた年代的にもオンタイムで見ていない。
竹書房のビデオでしか見ていない。
大学時代水戸の図書館にあったので確か20巻全て見たはずだが…。
当時吉本新喜劇は既に全国区だったが、私の中で「喜劇」というには違和感があり好きではなかった(今でもあまり興味はない)。
そこで寛美死後ではあったが二十歳頃ビデオで松竹新喜劇見たところ落語との共通点もあり興味をもった。
 
その寛美の頃からいた役者も高齢で直美との松竹新喜劇的からみもいつまで見られるかわからない。
また直美も今後年齢重ねることにより動いたりはしゃいだりという笑いが制限される、もしくは痛々しくなってくることもあるかもしれない。
その点からも喜劇に興味ある人は今の松竹新喜劇の芝居、演目を見ておくことを強くお勧めします。
おそらくここ数年で変遷するだろうから。そしてその後の変遷を楽しむ為にも。
年に一度くらいしか東京でやらないけど毎年続けて欲しいものだ。
 
 
とても良い気持ちで帰宅途中、亀有MOVIXにて映画「告白」の上映時間がちょうどいいこと思い出す。
途中下車しレイトショー鑑賞。
傑作!
嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」そして「告白」とこう立て続けにオリジナリティー溢れる佳作を生み出す中島哲也監督はすごい人だ。
 
見るもの全てに感動させられるという非常に贅沢で興奮させられる一日。