立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

8月20日(日)の志ら玉

晴。
11時起床。
 
相変わらず、勉強会用落語稽古。
 
夕方、東銀座。
歌舞伎座、「八月納涼歌舞伎」。
18時、第三部「新・水滸伝」。
 
猿之助事件があった今、受け手側はどうしてもストーリーを現実へのメッセージへと通解してしまう。
ストーリー上の「仲間」達で「梁山泊を守り抜く」図式が、猿之助の穴を「新旧澤瀉屋所縁の役者」達で補い、「スーパー歌舞伎を守り抜く」(「新・水滸伝」はスーパー歌舞伎と題されてはいないが)、「澤瀉屋を守り抜く」、に重なる。
これも、本来はフィクションである筈の芝居が持つ大きな力の一つである。
 
林冲、隼人。スピーディーな立回り、その中での大ジャンプは凄かった。宙乗りも勤める。ただ、先代猿之助が創り上げたスーパー歌舞伎的特殊世界にあって、まだテクニック的にあの「臭さ」を演じることが出来ない様に見える。例えるなら、周りが濃厚豚骨ラーメンなのに彼だけあっさり醤油ラーメン、という感覚。
彭玘、團子。既に、これぞ澤瀉屋、という演技。次代猿之助は間違いない。
壱太郎。猿弥とのコンビで、笑いが多いパートを担当。新境地か。
姫虎、笑三郎スーパー歌舞伎的世界で、水を得た魚の様な活躍。先代弟子達のこういう活躍がもっと見たい。
晁蓋、中車。氏を初めて歌舞伎舞台で良いと思った。心地良いスーパー歌舞伎的リズムとメロディーで、大きさをも見せた。ただ見得をする形がまるで出来ていない。
魯智深幸四郎。最後に出てくる御馳走役だが、まるで台詞に盟友猿之助へのメッセージや励ましを込めている様であった。
笑也・浅野和之・門之助。
 
満足。
久しぶりに良い席で見る。
21時過ぎ終演。
 
2時就寝。