立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

8月27日のらく里

前日キンキンサミットの打ち上げで早朝まで飲む。
その体を引きずって歌舞伎座楽日の第三部へ。

キンキンサミットに来てくれた角庵寄席席亭氏も三部のチケット持っていると打ち上げで判明。
それでも二人とも早朝まで飲んでるんだから。
早く帰ればいいのにと人ごとながら思う(笑)。

眠気を堪えながら三階ロビーに到着すると、家元のお客さんで大向こうの会員でもあるH氏にお会いする。

まず、谷崎潤一郎作の新歌舞伎「お国と五平」。
地味な台詞劇なので眠くなるかと思ったがさにあらず、興味深く見る。
わかりやすくいうと、女々しいストーカー男がグチグチと恨み辛みを言う芝居(笑)。
しかし、徐々に主観客観入れ替わる「羅生門」のような展開になりドンデン返しもあるサスペンス劇になる。
そして最後にはちょっと考えさせられるという、今まで私が経験した歌舞伎にはない感慨を持った。
うーん、こういう歌舞伎もあるのか。

幕間、H氏にカレーご馳走になる。
そこでカメラマンのS氏に声かけられる。
師匠の芝居のカメラマンをされている方だ。
歌舞伎好きだと存じていなかったのでまさかの出会いに驚く。
今日はいろんな人がいるなぁ。

いよいよみんなのお目当て勘三郎丈出演の「怪談乳房榎」。
これも当り。
これでもかという程の早替り。
本水を使った立ち回り。そしてここでもまた早替り。
エンディングは円朝に扮し計四役を務める。
打ち出し後も拍手鳴り止まず、勘三郎のみだが歌舞伎座では珍しいカーテンコール。
大満足のスタンディングオベーションでした。

円朝作の落語ネタだが落語より歌舞伎的な優れた演出部分いくつもあった。
竹槍で突き殺す箇所は落語の方が断然いいが。

終演後H氏に一杯ご馳走になりつつ歌舞伎談義。
一芝居を何度も観劇し、大向こうをかける場所・間まで熟知されている方なのでとても勉強になります。
さらに映画・落語についてのお話もいろいろ伺う。

Hさんいつもありがとうございます!