立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

8月9日(日)のらく里

正午起床。
先日の猛暑日続きに比べれば、過ごし易い気温。

河出文庫江國滋「絵本・落語風土記」読了。
1960年代に書かれた随筆。
隅田川汚染や自動車排気ガス等で今まさに「東京」が失われていくリアルな記述が、現在の感覚との大きな違い。
当時の高度経済成長期よりまだ現在の方が、「江戸」回帰(幻影ではあるが)的な、自然にも目がいく志向があるだけ、落語内的感覚に近いのではないだろうか。
その点からも、昨今の「三丁目の夕日」的なもの賛美風潮はクソ食らえ、だ。
実はあの好景気が如何に歪みを内包した不自然さであり、その表層部の「良い」部分のみ都合良く懐かしんでいるだけであるか、と思う。
不景気時代の心情こそ、落語的感覚にマッチし易い。
落語とは、分不相応な欲望に基づく上昇志向を持つものでは決してなく、現状維持でも御の字、というメンタルのものだから。

夕方、御徒町
上野広小路亭立川流夜席」出演。
「応挙の幽霊」。
トリ、キウイ師匠「紺屋高尾」。 

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打ち上げ。
キウイ師筆頭に前座も含め九人と賑やか。
中華屋から居酒屋。
終電帰宅。