立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

2月8日のらく里

13:40起床。
強風で冷え込む。

東京かわら版に落語会情報掲載依頼のFAX。

地下鉄で東銀座駅
新橋演舞場「二月喜劇名作公演」鑑賞。
16時開演、夜の部。
30~40分のものを三本立て。

「お種と仙太郎」。
意地悪な姑お岩・英太郎、息子仙太郎・曽我廼家八十吉、嫁お種・山村紅葉

新派のベテラン女形英太郎がやはり上手い。
が、上手すぎるだけに嫁いびりが少々生々しい。
上方喜劇流の臭い演技術なら大笑い出来る台本だろうが。
まぁそれはそれで、笑い抑えられ新派的エッセンス強めで悪くはないが。
お婆さんのコメディ体技が予想以上に面白かった。

山村紅葉のいびられても明るい嫁が、二時間ドラマでしか知らない彼女のイメージと違い良い印象。

「大当たり高津の富くじ」。
主演の梅雀が江戸育ちの若旦那・伊之助。
この役、原作では上方のぼんぼん、つっころばし。藤山寛美の当たり役。
前進座で歌舞伎もやっていた梅雀が、上方和事出来ないはずないので、江戸育ちにしたのは改悪でしかない。
上方の世界観に一人わざとらしい江戸弁が入る違和感。
そういう素養がない役者ならこの改変はまだしも、そうではないだけに勿体無い。
上方弁の梅雀見たかったなぁ。

梅雀に対して「成駒屋」の大向こう全くないのが寂しい…。
客入りも少ないし、そういう見巧者層はもっと少ないんだろう。

居候先の大工の棟梁・渋谷天外が好演。
どっしりした上手さ。

「おやじの女」。
安藤鶴夫原作。
未亡人・波乃久里子、愛人・水谷八重子
渋谷天外、この幕ではもっと良い。

正直客席はガラガラであったが、全体内容は面白かった。
松竹新喜劇と新派の合同、さらに梅雀が入る座組は東京ではめったに見られない。
藤山直美喜劇公演枠とは別に、年に一度は演舞場で定例化してもらいたい。
しかしこの客入りでは辛いかなとも冷静に思う。
四、五、六月とジャニーズ系の芝居が入っている。
客入るからいいんだろうが、歴史ある新橋演舞場を三月も取られてしまった感は拭えない。

BUBKA 3月号」読み終える。