立川志ら玉の現場主義日記

-志ら玉ブログ- 落語家・立川志ら玉の何も事件が起こらない日々

11月1日のらく里

9:15起床。

新橋演舞場「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部観劇。
本日初日なので、三階下手に大向こうの方々集まり華やか。

「双蝶々曲輪日記」。
先ず井筒屋の場。
東京では戦後初の上演とか。
しかしこの場があったおかげで後の展開がよくわかる。
特に単独上演多い引窓の場。これ見てやっとストーリーすっきりした感有り。
井筒屋での松之助さんが良い。
貴重なバイプレイヤーだ。
引窓の仁左衛門、声が小さかったのが心配。

「人情噺文七元結」。
菊之助の文七が出色。
しかしこの芝居見る度に、落語は優れているなと思う。

映画の日
新宿へ移動。
角川シネマにて「あなたへ」。
降旗康男監督。
高倉健出演。
亡き妻の散骨に向かう為車で長崎に行くロードムービー
客観的に見るともうお爺さんだがべらぼうに格好良い健さんの存在感と自然の画に圧倒される。
映画館で見なかったら単なる「つまらない日本映画」と思ったであろう。
こういう映画が好きと感じるようになったのは年取った証拠だなと思う。

続けて同館にて「桐島、部活やめるってよ」。
話題の作品を映画館公開終了ぎりぎりで見られた。
三十半ばの今見ているからまだ客観視でき楽しめるが、若い頃にはこの残酷な現実が辛すぎて見ていられなかったのではないか、という作品。
「学校」という閉じられた絶対空間内での、「才能」の格差と固定された「ヒエラルキー」という残酷な現実を、リアルにとらえる。
友達のいなかったあの暗黒の高校時代には二度と戻りたくないと思い出す。
傑作!
黒ぶち眼鏡かけた神木隆之介君が、こはるにそっくりであった。

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芸術の秋に相応しい文化的な一日。