11月24日昼、部長・倉庫の二階席亭氏と丸の内ピカデリー前で待ち合わせ。
今月の鑑賞部は映画だ。
「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」。
待ち合わせ場所に着くと既に長蛇の列。
公開終了期限も近づいていたが、前日スマスマでマイケル特集やっていたその影響か?
列に並んでいると花緑師匠の前座のお弟子さん二人も後ろに並んでいた。
勉強熱心だ。芸術鑑賞部にスカウトしたいくらいだ。
でかい劇場の二階席で鑑賞。ほぼ満員。
見慣れるまでマイケルの動きすべてがコントに見えてしまう。
マイケルのパロディーコントのよう。
それはリハーサルのマイケルが僕らの想像通りのマイケルだからだ。
逆にこれはすごいこと。本物のスーパースターの証だ。
しかしマイケルの動きは一流のコメディアンとして充分通用する。
キレと表現力が抜群。
もしコメディアンだったら、こけたり二度見とかするだけで金が取れるはず。
特に本編「ビートイット」のラスト、足バタバタさせて転げ回る振り付けは最高に素晴しい!
もしコメディアンとしてこれが持ちギャグだったら芸術的笑いを産み出せたはず。
そしてこのギャグがもし東洋館で見られたら…。
今頃浅草は日本のラスベガスだ。
つくづくマイケルの死が惜しまれる。
その後、東劇にて「ニッポン・モダン1930」と題した企画で「爆弾花嫁」「浅草の灯」の二本立てを鑑賞。
「爆弾花嫁」。
どんな花嫁だ。
喜劇の名匠・斎藤寅次郎監督の1934年作品、無声でわずか22分。
内容は花嫁を取り合うみたいなどうでもいいもの(笑)。
引っ叩いて目を回したり、ダイナマイトが爆発したりという幼稚園児並みの低俗ギャグが続く。
逆にアートだ。
ただ本気で笑っているババアが二人くらいいて日本の平和を実感する。
そしてお目当て。浅草オペラの舞台裏を描いた青春物「浅草の灯」。
1937年作品だけあって「ペラゴロ」など時代背景溢れる台詞が楽しい。
「ペラゴロ」とはオペラゴロ=熱心な浅草オペラファンの意。
浅草が繁華街だった当時らしく「みんな集まったから浅草に食事でも行きましょうか」と、今で言う渋谷か新宿のような扱いだ。
今そんなトンチンカンなこと言ってる若者は一人もいない。
「浅草オペラ」という単語は喜劇ファン・マニアにはお馴染みだがいまいちイメージが掴めなかった。
それが劇中にありだいたいどういうものかわかったことは大きな収穫であった。
あ、ちなみに10月の鑑賞部活動について書いていなかったが、「尾上劇団」という素人ボランティア劇団を埼玉の大学のホールに見に行っていた。
いい年したジジイ、ババアの本気の悪ふざけを見る機会はなかなかないのでそういう点で非常に勉強になった。
ハンドマイクを持ったまま進行する時代劇「瞼の母」は僕の想像力を軽々と超えていました。